短文読書感想(ビジネス書編)

読書

ビジネス書籍の中で読んで為になったと感じられる本を厳選し要点のみの短文感想です。

よかったら書籍購入の参考にして下さい。

2021年 日本はこうなる

コロナショックを如何にして変革の原動力とするか。停滞していたデジタル技術革新などが一気に加速する中、広がるビジネスチャンスのヒントを掴める一冊。個人的にはスキルシェアのプラットフォームを職が減少したフィットネス関係者にお勧めしたい。リモートワークについては職場で同じ空間を共有できなくなり、間接的な情報共有、個人の成長をどうやって回復させるのか考えるきっかけになった。

日経新聞マジ読み投資術

日経新聞の読み方。先ずは大きな変化点となるキーワードに着目。新、最、初、発などがタイトルに含まれる記事を読み転換に気づく事が第一歩と理解。次はデータの理解。ストックデータ、フローデータがあるがマーケット規模を表すのは前者でありこの違いを選別してみようと思う。最後にトレンドに注目する。株価は先行指数であり今後の景気動向を示すもの、個人が感じる消費思考は遅行指数であり、景気の変化を実感してからでは遅いという事を学んだ。よって株価は下がっているが足元の景気は良いので景気は上向きだと思う楽観的思考は間違えである。
著者:渡部 清二

ビジネスエリートになるための 教養としての投資

平均賃金が長らく横這いの日本では特に投資が重要であるにも関わらず投資マインドが低いのは何故なのか?財閥解体がその理由の一つと言う指摘には納得。労働の思想から投資の思想へ転換し未来を切り開くのは自分自身である。投資にあたっては企業の参入障壁が最も重要で競争優位、付加価値、長期潮流で投資仮説を自分なりに考える力を養う事が最も大事な事であると理解した。
著者:奥野 一成

The Big Zero ザ・ビッグ・ゼロ: 成長、イノベーション、競争優位をもたらすゼロベースのアプローチ

ゼロベースのアプローチが抽象的に書かれており具体的なフレームワークは一切紹介されておらず理解し辛い。ゼロベースはコストは削減すればよいというものでは無く悪いコストを良いコストに変えるためにマネージメントするプロセスが重要との指摘は納得。
著者:クリス ティマーマンス,クリス ロアーク,ロドリゴ アブダラ

日本のイノベーションのジレンマ 第2版 破壊的イノベーターになるための7つのステップ

前作イノベーションのジレンマに続く日本版となっており例題が身近なゲーム機、スマホなどで解説されており理解し易い。企業が何故破壊的イノベーションではなく持続的イノベーションに偏ってしまうのか、合理的な意思決定を重視する企業に有りがちであるという説明には私自身が今現在進行形で感じている事であり納得。
著者:玉田 俊平太

ビジネス教養 地政学 (サクッとわかるビジネス教養)

ランドパワー、シーパワー双方の立ち位置から進出の戦略など過去の歴史を紐解きながら地政学視点で解説されており面白い。そして中国はシーパワーも支配下に入れようと目論んでいるが、過去イギリスやアメリカなど両立させた国は歴史的に無くきっと失敗することだろう。イギリスのEU離脱やギリシャ危機でのEU各国からの支援に地政学的側面がある事が興味深い。前者は潜在的に持っている大陸側への恐怖心、後者は地中海に面した同国をロシアからの進出に備えて救済したとある。

ニューノーマル時代のビジネス革命

アフターコロナ、withコロナでの生活、ビジネス様式をトレーサビリティ、フレキシビリティー、ミィックスドリアリティ、ダイバシティと4つの視点より解説されてる起業家向けの書籍。他拠点生活者の為に考えられたマルチハビテーションは実際に使ってみたいと思う。アドレスとANAのコラボ企画もあり月7万円で飛行機2往復+シェアハウスは魅力的。
著者:日経クロストレンド/藤元健太郎

知らないと恥をかく世界の大問題11 グローバリズムのその先 (角川新書)

2020年の世界のニュースを解説。イギリスは何故EU離脱に至ったのが?離脱後のアイルランド問題が歴史から紐解かれ非常にわかりやすく解説されている。中東問題はイランのシーア派である12イマーム派の考えから大統領より権力を持った最高指導者が存在する事を初めて知った。イスラエルのエルサレムを首都としたトランプのやり口は宗教問題を軽視かつアラブ人、ユダヤ人の歴史を冒涜しておりやはり気に入らない。
著者:池上 彰

【新版】ランチェスター戦略 「弱者逆転」の法則

弱者は一点集中の差別化戦略で先ずは狭い領域でのナンバーワンを目指すべきという理由がよくわかった。取捨選択の判断が重要である。また競合との戦いかたとして足下の的をミート戦略で倒すべき、日産はトヨタを倒そうと必死になりホンダに足元を救われた話しは納得。
著者:福永 雅文

ビジネスフレームワーク図鑑 すぐ使える問題解決・アイデア発想ツール70

ロードマップの書き方は勉強になった。組織マネージメント、人材育成については、PM理論、WILL/SKILマトリクス、GROWモデルが実践で使えそうであり自分にとって価値ある一冊。
著者:株式会社アンド

シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング)

第4次産業革命と言われる現代で日本は過去15年間1人負けだったという衝撃的な切口から始まる。それでも過去を振り返れば第一次産業革命の頃から新しい技術に対しては乗り遅れてきた日本は第二第三の波に乗って応用力を駆使して浮上してきた。今回も明るい未来はあると言い切っているところが新鮮であった。その為には教育システムなどにかけるリソースの再配分など刷新が必須であることを説いている。残すに値する未来を創出する為に筆者が仕掛けている風の谷ビジョンは夢のような話だが環境破壊、貧困など社会問題を一掃できる活気的な思想だ。
著者:安宅和人

図解 実戦マーケティング戦略

実戦で使えるテンプレートが紹介されており明日から早速使ってみようと思える。BASi CSは競合との差別化戦略を練るのに使えそうなツール。ニーズの大きさには広さと深さの2軸で考える思考は新しい発見だった。
著者:佐藤 義典

ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営

非営利組織のリーダーたるものは!が本筋だが営利組織にも通じるマネージメント戦略など事業経営のいろはが説かれている。組織に対して、どこに機会があると思っておられるか?どこに問題があると?何がうまくいっている?何がうまくいってないか?など聞かなければならないと説明されていた。この組織は自分に何を求めるべしかを問わなければならないと。まさにSWOT分析的なマーケティング戦略思考が大事である事を理解した。組織のリーダーとして、もし自分が明日辞めても大きな変化は無いと言える事が組織を預かるものにとって最大の目標だ。
著者:P.F.ドラッカー

コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画

コロナショックの危機を乗り切る為のリーダー思考が詳しく解説されている。個人としては会社の事業部が経営危機に陥っている状況でもあり、このような場合マネジメントプロフェッショナルとして色々な事が学べる格好のタフアサインメントが目の前にある大きなチャンスと捉えるべきと思考を180°変える事か出来た。良しも悪しも今回の件で世界中の働き方は大きく変容し、テレワーク、都市と地方の二重生活がいとも簡単である事が実証されており、破壊的危機の次には破壊的イノベーションの波が押し寄せて来る事という指摘には同感。
著者:冨山 和彦

武器としての「資本論」

マルクス資本論を筆者独自の視点で読み解いたもの。近年の資本主義経済では規制緩和、雇用の非正規化、グローバル化などで労働分配率が下げられ資本は新たな剰余価値を生み出そうとするが、これは絶対的剰余価値の追求へ回帰であり移民問題等大きな社会問題となっている。格差経済による中間層の脱落は需要不足を招いており戦争等破局的帰結の危機。これを避ける為の階級闘争は、生活レベルの低下に耐えれるかどうかが基準と筆者は考えている。人間的基礎価値を信じネオリベラリズムで実質的包摂された思考、感性を引き剥がす事が闘争の始まりとの事
著者:白井 聡

イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)

イノベーションには持続的、破壊的の2種類あり前者は現事業の延長線上にあり優良な経営者は資源配分プロセス、価値基準を駆使して右肩上がり業績を伸ばす。ただ技術の供給が市場のニーズを上回った先には下から突き上げてくる破壊的イノベーションに取って代わられるという産業の歴史がディスク業界を例に分かりやすく説明されている。破壊的技術は低価格かつ不透明な市場が相手であり上位企業からのバリューチェーンでは事業判断から排除される領域であり、主流事業部とは価値基準が独立した小規模な組織で開発運営する事が有効である事を理解した
著者:クレイトン・クリステンセン

仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?

特に新しい発見は無かったがハインリッヒの法則から一件のヒヤリが10回起きると小さな事故に繋がり、小さな事故の1/29に大きな事故が潜んでいる確率論からもヒヤリに対して感度を上げることが重要だと再認識出来た。再発防止としてよく言われる周知徹底、教育訓練、管理強化は三大無策とも言え、手順そのものの未熟さを改善せねばならないことは言うまでもなくその通りだ。失敗を最大限食い止めることは大事だが失敗は起きるもので起きた後の対処の方がもっと大事である事を筆者は伝えたいと理解。失敗を認めいかに次に繋げる事ができるか!?
著者:飯野 謙次

「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!

人生を自分にとって意味あるものへの考え方が説かれている。無意味な感情に左右されないため自分のゴールに取って意味ある感情のみを許可する事が必要。時間は未来から過去に流れている概念より未来に対して過去は無関係でありホメオスタシスを未来に介入させればコンフォートゾーンの移動が出来るという説明は腹落ち。ゴール設定としては他人のモノサシからの脱却のため自分の本音にフタをせずhaveto->wanttoへ変える事、且つ人間は献身、自己犠牲を伴い大きな幸せを感じるものより自己中心的にならず抽象度を上げる事が重要と理解。
著者:苫米地 英人

日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義

人口減少、高齢化が劇的に進行する日本に於いての生存戦略が様々な文献のデータ分析をもとに書かれおり説得力がある。日本は先進国の中でも極めて労働賃金が安い国であり、最低賃金の引き上げが最重要と説かれている。最低賃金は厚労省管轄の社会施策となっているが、経産省へ移行し経済対策として取り組むべきだとの指摘には納得。生産性を高めるにはこれだけでは不十分で同時な人材育成トレーニングが重要。特に経営層へのレベルアップが不可欠である。人生100年時代、初期で学んだ知識は陳腐化し人生途中で再教育が必要なのは言うまでもない。
著者:デービッド アトキンソン

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