2021年9月の読書

9月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1735
ナイス数:108

正義の教室 善く生きるための哲学入門正義の教室 善く生きるための哲学入門感想
正義の判断基準は①平等(功利主義)②自由(自由主義)③宗教(直観主義)の3つに分類。各々の主張は相容れないもので、民主、共産、宗教間での争いが終わらない理由がよく分かった 平等主義を主張した哲学者ベンサムが考案した刑務所での監視体制『パノプティコン』は今でも形を変えて存在しているという事実は新たな気づきだった 我々は民主主義国家に生きながらも知らずのうちに他人の視線を気にしながら社会に沿った生き方を無意識に選んでいる 監視社会から逃れるには正しくありたいと願い「善い」を目指して生きていくしかないと理解
読了日:09月26日 著者:飲茶
オードリー・タン 自由への手紙オードリー・タン 自由への手紙感想
政治家より影響力のあるハッシュタグを最大限に活用し 情報の透明性、共有化を図りセイフティーネットなど危機管理の効率的な運用に感動した。日本人には無い斬新な発想の持ち主と感じた。
読了日:09月25日 著者:オードリー・タン,クーリエ・ジャポン編集チーム
加速する中国/岐路に立つ日本:ポストコロナ時代のアジアを考える加速する中国/岐路に立つ日本:ポストコロナ時代のアジアを考える感想
かなり中国びいきに書かれている。 IT技術が最先端というのは認めるが、コロナ封じ込めに成功したのは一党独裁による徹底した管理体制下にあるからでありプライバシー情報を提供する代わりに安全を享受しているという管理社会を正当化するような解説もあり決して共感できない。 これらが中国人を代表した声のように書かれており、分断された格差社会など負の社会問題は取り上げておらず、読者の認知を歪めかねない危険な本であると感じた。 中国もこの先は中間所得層がマジョリティになり民主化に進んだ場合の舵取りが課題という指摘は同感。
読了日:09月24日 著者:朱 建栄
日本を前に進める (PHP新書)日本を前に進める (PHP新書)感想
自民党総裁選の本名と言われている河野太郎氏の著書 興味深かったのは政治家としての原点となるアメリカ留学時代の話。大学3年生で海外の大学に留学する制度を利用し当時の共産国ポーランドへ留学し投獄された体験談が面白い。そもそも、なぜ共産主義の生活を自身の目で見たいと思ったのか本人に聞いてみたい。
読了日:09月21日 著者:河野 太郎
ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)感想
不適切な行為、思考、感情を減らすことで対人関係スキルの改善を図る治療法として認知行動療法がある。これは認知機能という能力に問題ない事が前提に考えられた手法であり問題行動を起こす非行少年達の殆どは発達障害や知的障害を持った子供達という。この子達には認知機能に問題があり、障害を持った子供達である事から本来は守り育てなければならない存在だ。にもかかわらず、その支援方法が確立されておらず加害者となり被害者を作り矯正施設に入れられている。この社会問題の解決方法が提案されており教育に携わる人には特に読んで頂きたい。
読了日:09月20日 著者:宮口 幸治
ラストエンペラー習近平 (文春新書 1320)ラストエンペラー習近平 (文春新書 1320)感想
中国が大国になる程弱くなるという「戦略のパラドックス」についてロジカルに語られている。中国は周辺に同規模の国家がなく唯一の大国として存在してきた地政学上の話。また歴史上、匈奴など他民族の圧迫をしばしば受けるも対等な他者とは認めず、強者には出来る限りの譲歩をし、賄賂などで籠絡しようとする。時が経ち相手の力が弱まったのちに屈従を強いるというパターンが今もなお続いており、これ以外の付き合い方を知らない。彼らが大国であり続けようとする限り戦略の論理を理解する事が出来ない。これが中国の陥っている戦略のパラドックス。
読了日:09月12日 著者:エドワード・ルトワック
エコノミックス――マンガで読む経済の歴史エコノミックス――マンガで読む経済の歴史感想
歴史というレールの上に経済を語っているマンガです。マンガとは言えそこら辺にある経済学の本よりも非常に中身の濃ゆい内容。アダムスミスの「見えざる手」といえば資本経済を分かったように見せることは出来る。ただ大半の人は本質を理解出来ていないだろう。本書ではスミスが残したその他の数々の言葉を引用して歴史と紐付けられておりスミスが何を伝えたかったのかが良く分かる。学校の教本としても使って欲しい超オススメの本です。
読了日:09月04日 著者:マイケル・グッドウィン

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