自己理解の専門家 八木仁平氏の著書【「やりたいこと」の見つけ方】で紹介されている
自己理解メソッドをやってみました。
私自身は、キャリアコンサルタントの端くれです。
ですので
自己理解がキャリア形成において重要であることを十分理解している
つもりで
自分自身の自己理解もできている
つもり
でしたが、
実際に、このメソッドをやってみると目からウロコで
「まだまだ自分のことわかってないんだな」
と自己理解不足を痛感させられました。
本書では自己理解のための理論が体系的に説明されているだけでなく、
具体的な方法がメソッドとして落とし込まれており、非常に有益な内容でしたので
実際にやってみた結果と感想を紹介させて頂きます。
本記事は、特に以下の様な悩みを抱えている人の道しるべを示していますので参考にして頂ければ嬉いです。
● このまま今の仕事を続けるべきなのか漫然な不安がある
● でも特にやりたいこと無いので惰性の毎日を送っている
なぜ「やりたいことが分からず迷い続けてしまう」のか
例えば職業の数でいうと
厚生労働省所管の独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の調査によると、
日本にある職種の数はなんと 約1万7000種類以上もあるのです。
そんな中から自分に適した仕事を見つけることは至難の業です。
この無数にある選択肢を「自分のフィルター」に通すだけで、ほんのいくつかに
絞り込むことが出来ます。
その「自分のフィルター」こそが「自分の判断基準」というわけです。
本書では、その「自分の判断基準」を以下の3ステップの手順を踏んで
明らかにしていくという内容になっています。
2.得意なことを見つける
3.好きなことを見つける
では、早速やってみましょう!
自己理解の3ステップ
「大事なこと」を見つける
1.次の5つの質問に答えて「価値観キーワード」を見つけ出す
Q1 尊敬する人は誰?その人のどんなところを尊敬している?
◇価値観キーワード 行動力、勇気
Q2 幼い頃や思春期にあった今の自分に一番大きな影響を与えている出来事、経験は何か?
それが自分の価値観にどう影響を与えたか?
何事にも逃げないことで周囲から尊敬されるという価値観を得た
◇価値観キーワード 自尊心
Q3 今の社会には何が足りないと思うか?
低迷している日本経済を立ち直そうという姿勢
首都圏と地方の生活レベルの差
◇価値観キーワード 柔軟性、判断力、挑戦、臨機応変、平等
Q4 「自分って人生で何を大事にしてそうかな?」と周りの人に聞いてみる
そう思った具体的なエピソードも
時間 使い方、時間配分が上手、無駄のないように使っている
◇価値観キーワード 家族、安らぎ、効率化
Q5 自分の子供を育てたり他人に助言するときに、一番伝えたいのはどんな行動で
一番伝えたくないのはどんな行動か?
・自分自身のことを大切にすること
・日ごろから勉強しよう
・仕事と私生活のバランスを取ろう
・人の意見を聴こう
・楽しい毎日を送るにはどうすれば良いか考えよう
・つらいときは逃げていも良いんだよ
◇価値観キーワード 自尊心、勤勉、バランス感覚、傾聴、至福、好奇心、逃避
・世界で最もお金が大事
・人に好かれることを意識し行動しよう
・何があっても逃げるな
・やりたいことよりも現実をよくみて行動して
・リスクがありそうだからやめたら?
◇価値観キーワード 信念、献身的、逃避、冒険、挑戦、好奇心
2.自分にとって意味の近いキーワードにグループわけする
3.価値観ランキングを作って優先順位を決める
下が最初に満たすべき「土台」とし、上位になるほど「最終的な目的」というランキングにする
4.仕事の目的を決める
- 手順は以下の通り
②今まで人に価値を提供しようとしたことを
振り返り、そのときにどのような価値を
提供しようとしていたのか考える
③10個程度の経験を上げて提供しようとした価値が
最も多いキーワードを仕事の目的に設定する
私の場合は「安らぎ」が最も多くでてきたので
仕事の目的を「安らぎ」に設定しました。
「得意なこと」を見つける
1.次の5つの質問に答えて「得意なこと」を見つけ出す
Q1 これまでの人生で充実していた体験は?
意見や方向性の違いにより、時にはチームメンバーとの対立もあったが、
勝利という目標に向かって切磋琢磨しながら練習に励み
チームとして、人としても成長できた体験です。
◇得意なこと 一つの目標に向かってチームを統制すること
Q2 最近イラっとした、もしくは心がザワザワしたのはいつ?
私が結論を焦ったためミスリードしていることに気づき
考えを改め指示内容を撤回しました。
◇得意なこと 自身のミスを素直に認め撤回することができること
Q3 仲のいい人に「自分の長所なんだと思う?」と聞いてみる
感情の起伏があまりない
◇得意なこと 穏やかな性格、感情の起伏がなく安定している
Q4 明日仕事を辞めてしまったとして、もっとやりたかったと感じるのはどの部分か?
◇得意なこと 知らない世界のことを学ぶこと
Q5 これまでの人生で成果が出たことは何か?
どうやって成果を出したか?
特許や文献を調べまくった
成果を出したときの出来事から見つかる長所
◇当時の出来事
・身近にエンジニアとして尊敬できる先輩の存在もあった
・先輩にべったり付いて技術を盗んだ
・家にいても回路を考えていた
・新しい技術を知れば知るほど更に知りたいことが増えていき勉強のループに入った
・机上の計算だけではなく、実際に電気回路基板を手作りした
・技能職で採用された高卒でも出来ることを証明したかった
・同じ境遇の後輩たちに希望を与えたかった
・産学連携で研究をしていたので、大学の先生と深いつながりを構築すればよかった
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◇得意なこと
・目的のために主体的に行動できる
・尊敬する人から素直に教えを乞うことができる
・新しいことを学ぶこと
・価値あることには時間をかけることが出来る
・実際に経験してみる
・自分の成功体験を伝え周囲に希望を与える
・人との絆が大切ということを知っている
2.長所を三段階評価する
・Q1~Q5で挙げた長所を以下の三段階で評価します。
〇:充実感がある
△:まだ実感が無い
◎になった項目を使って、最終的に「やりたい事」への絞り込みを行います。
◎になった項目
◎ 目的のために主体的に行動できる
◎ 尊敬する人から素直に教えを乞うことができる
◎ 自分の成功体験を伝え周囲に希望を与える
◎ 人との絆が大切ということを知っている
「好きなこと」を見つける
1.次の5つの質問に答えて「好きなこと」を見つけ出す
Q1 今お金を払ってでも勉強したいことは?
◇好きなこと 地方創生を考える
Q2 本棚にはどんなジャンルの本があるか?
◇好きなこと 心理学、哲学
Q3 これに出会えて「良かった」、「救われた」と思える分野、ジャンルは?
キャリアコンサルタントの座学で学んだ「適応障害」
適応障害は職場など環境が変わったときに起きる一時的なうつ症状で
環境変化後、3ヵ月で落ち着き、適応していくものということを知り
後の転勤時の環境変化を乗り越えることが出来ました。
◇好きなこと 気の合う仲間との談笑、将来を語り合うこと
心理学の理論
Q4 これまで生きてきた中で「お礼を言いたい仕事」は何か?
当時は嫌で仕方なかった「クレーム処理」ですが
振り返ると、この時に、人から叱られ、人に助けられ、
喜びも苦しみも人と共有し、とにかく、多くの人との関わりを
持つことがにより人間として成長できたことを感謝しています。
◇好きなこと 人間として成長させてくれること
Q5 これまでの人生で世の中に対する怒りを感じたことは?
地方へ転勤した際に感じた不都合は数知れず。
- 公共の便の悪さ
- 私生活での楽しみの少なさ
- 給料の安さ
- ポケモンGoのポケストップの少なさ(笑)
◇好きなこと 格差を小さくする
「本当にやりたいこと」を決める
いよいよ、ここまで集めてきたピースを組み合わせて
「本当にやりたいこと」を決めるフェーズです。
下の図が「本当にやりたいこと」を求める模式図です。
「好き」×「得意」×「大事」=「本当にやりたいこと」になります
好き × 得意 で「やりたいこと」の仮設を立てる
先ずは「好き」×「得意」で「やりたいこと」を決めます。
実際にやってみた一例は以下の通りです。
①(好き)地方創生×(得意)知らない事を学ぶ = 地方創生を学ぶ人
②(好き)地方創生×(得意)目的のために主体的に行動 = 地方創生に向け行動する人
③(好き)地方創生×(得意)人との絆を大切にする = 地方創生のために人と人を繋げる
④(好き)心理学×(得意)人との絆を大切にする = 心理学を活用し人と人を繋げる
⑤(好き)成長する×(得意)尊敬する人から教えを乞う = 成長のために尊敬する人から教わる
⑥(好き)成長する×(得意)人との絆を大切にする = 人と関わりながら成長を続ける
「仕事の目的」で「本当にやりたいこと」を絞る
「やりたいこと」が抽出できたところで次は、それを絞り込み
「本当にやりたいこと」を見つける作業です。
価値観キーワードが設定した「仕事の目的」
私の場合は「安らぎ」でした。
そこで「やりたいこと」を「安らぎ」フィルターにかけ
「やりたいこと」を絞ります。
人に「安らぎ」という価値を提供するためには
先ほど仮説を立てた「やりたいこと」から選ぶと
③地方創生のために人と人を繋げる
が最も適していると感じました。
自己理解メソッドをやってみて
このメソッドをやってみて
新しい自分に気づくことができました。
例えば、「お礼を言いたい仕事について」を考えているとき
今まで就いた職種のなかで最も過酷だった「クレーム処理」が
思い浮かんだとは驚きでした。
当時は吐き気がするほど嫌だった仕事ですが、今となっては
社会人としての礎を築いた大きなアンカーであることに気づかされました。
この問いを通じて「自分の成長」が私が情熱を燃やせる
「好きなこと」であることと発見できました。
最終的に私の「本当のやりたいこと」は
地方創生のために人と人を繋げる
という事が示されました。
私自身、キャリアコンサルタントという国家資格を所有しています。
地方創生としては地場企業に頑張ってほしいという想いもありますので
人と企業を繋げるような事業を設立する決意を固めました。
本記事が以下のような悩みを抱える人の参考になれば幸いです。
● このまま今の仕事を続けるべきなのか漫然な不安がある
● でも特にやりたいこと無いので惰性の毎日を送っている
是非、一度、このメソッドを試してみて下さい。
自己理解により自分がやりたいと思える道が見えてくるはずです。
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