リフレクションの実践方法を事例を踏まえ解説します

キャリコン

「チームの人間関係がちぐはぐで統制できない」

「部下に仕事を任せられず新しい事ができない」

「プロジェクトが計画通りに進まない」

「過去のやり方が通用しなくなっていると感じるがどうすれば良いかわからない」

等々

リーダーは様々な課題に追われています。

このような状況下で足りないのは

新しい知識でも優秀な部下でもありません。

必要なのは「自分自身と向き合うこと」です。

今回、自分自身と向き合う手段として

「リフレクション」の実践方法について紹介します。

リフレクションとは

自分の内面を客観的、批判的に振り返る行為

「内省」という日本語がもっとも近い言葉になります。

リフレクションを実践することにより以下のような効果が期待できます。

・感情的の起伏がコントロールできちょっとした事で怒らなくなる
・他社への理解が深まり人間関係の悩みが減る
・リーダーシップ力が向上しチームの一体感を感じることができる
・何かに行き詰ったときに新しいマインドセットを手に入れる

本記事が、あなたのこれからの成長を支える一助となれば幸いです。

 

リフレクションの目的

リフレクションの目的は

あらゆる経験から学び未来に活かすことです。

どのような経験にもたくさんの「叡智(えいち)」が詰まっています。

経験を客観視することで新たな学びを得て

未来の意思決定と行動に活かしていくことが

リフレクションなのです。

以下がリフレクションの基本となる

5つのメソッドです。

①自分を知る
②ビジョンを形成する
③経験から学ぶ
④多様な世界から学ぶ
⑤アンラーン(学んだことを手放す)
それでは詳しく見ていきましょう。

メタ認知力を高める

先ずは基本となる「認知」の枠組みを整理するフレームワークとなる

「認知の4点セット」について解説します。

このフレームワークの目的は

メタ認知(認知していることを認知する)力を

高めることです。

●認知の4点セット
①意見
②経験
③感情
④価値観

自分の経験の中から何かを知覚し、判断し、意見としているのか。

その意見の背景にはどのような経験があり、その経験にはどのような感情が紐づいており

その意見の前提にはどのような価値観が存在しているのかを客観視することで

メタ認知力を高めることが出来ます。

◇意見/経験/感情/価値観を切り分ける

①意見

「考え」、「学び」、「思ったこと」

②経験

「意見の背景にある経験」

③感情

「その経験に対しどのような感情を抱いているか」

④価値観

「判断に用いた基準や尺度」、「ものの見方」

自分を知る

あなたを突き動かす大切な価値観の探し方を説明します。

自分を知るリフレクションのテーマは、

私たちの動機の源です。

動機の源を把握しておけば、

どんなときでも、自分のモチベーションを

自らの意思でコントロールすることが可能になります。

動機の源とは

「やりがいや喜びを感じる理由」です。

これを知ることはリーダーシップを磨くためにも重要です。

動機の源は人柄、魅力の源泉であり、人があなたについていく理由なのです。

動機の源を知り自分のモチベーションを維持し、

困難な状況でもブレない軸を持つリーダーを目指しましょう。

 

それでは「自分を知るリフレクション」を実際にやってみましょう。

最近、腹が立ったことをひとつ挙げてください。

①意見

上司から仕事を丸投げされた

②経験

何のために必要な仕事なのか説明が無く自分の抱えている仕事との優先順位がつけれない。
初めての仕事内容でどう進めればよいのかもわからず戸惑った。

③感情

不安、焦り

④価値観

動機付け、責任、納得

こうやってリフレクションすることにより、自分の大切にする価値観がわかってきます。

特にネガティブな感情を掘り起こす方が、自分が大切にしている価値観を見出しやすいのです。

この場合、仕事を丸投げされたことに腹が立ったのは

「責任をもって仕事をするには自分が納得する動機が必要」という価値観と大事にしているからです。

例えば、

「あいつは約束をいつも守らないな!」

と腹が立ったときに何故許せないと思うか?

それは、あなたが「約束を守る」という価値観を大事にしているからです。

このように腹が立ったときや悲しいときなど、ネガティブな感情に陥ったときには

「なぜ、このような気持ちになるのだろう?」と自分に尋ねてみてください。

ビジョンを形成する

ネガティブな感情からビジョンを探す

動機の源(大切にしている価値観)が満たされていないとき

何かに不満を持ち、課題を認識しています。

そんなとき、意識せずとも心の中には

「ありたい姿」のイメージが存在しているはずです。

これがビジョンの種です。

心の中にあるビジョンの種を

本物のビジョンに変換することが、このリフレクションの狙いです。

動機の源につながるビジョンを持つと

現状を変えたいという強い思いが生まれます。

ビジョンと現状のギャップを埋めたいという強い内発的動機を

「クリエイティブテンション」と言います。

実現したいことを明確にする

自分が実現したいことをテーマにリフレクションしてみましょう。

「自分がどんな価値観を大切にしているからなのか」がわかります。

①意見 現在、実現したいことは何か?

地元の活性化のため人と企業をつなぐ事業をしたい

②経験 その経験の背景にはどのような経験があるか?

自分自身の転職活動で首都圏と地方の職業選択、賃金の格差を実感したことと
かつて100万都市だった地元の人口減少が著しいこと

③感情 どのような感情が、その経験に紐づいているか?

寂しい

④価値観 そこから見えてくる、あなたが大切にしている価値観は?

地元愛、社会貢献、やりがい

これは私自身のリフレクションで地元愛に突き動かされて事業を始めるというビジョンを掲げています。

動機の源になっている「価値観」と実現したい「ビジョン(意見)」

がつながっていることで

ビジョンは自分自身を大きく動かす力となります。

経験から学ぶ

目的やビジョンが動機とつながると

ゴールに向かうエネルギーが湧いてきます。

しかし、ゴールに到達するまでは

色々な難局があります。

この難局を乗り越えるために

「経験から学ぶリフレクション」

を紹介します。

内面のリフレクション

行動の前提にある持論を認知の4点セットで振り返ることで

行動の前提にある自分の考えを俯瞰することが可能になります。

私たちの行動の前提には

「こうすればうまくいくはず」

といった考えがあります。

これは意識せずとも過去の経験で培った

知恵をベースに行動しているということです。

ただし、この知恵ベースの成功法則体験が通用しないこともあります。

特に昨今、変化の激しい時代に於いて

前例を踏襲した知恵ベースの行動はリスクを伴います。

よって、自己の内面を振り返るリフレクションの重要性は高まっています。

それでは「経験から学ぶリフレクション」の手順を紹介します。

赤字が一例です。

ステップ1:計画の振り返り

・どのような計画を持っていたか?
→プロジェクトリーダーを部下に任せよう
・どのような仮説を持っていたか?
→経験もあり任せても大丈夫

ステップ2:想定していた結果と実際の結果

・想定していた結果は?
→期待通りの成果を挙げる
・実際の結果は?
→計画に対し遅れがでた

想定と実際のギャップを明確にすることがリフレクションのスタートです。

ステップ3:経験の振り返り

・どのような経験だったか?
→プロジェクトは全て部下に任せていたため計画が遅れていることに気づくのが遅れた
・うまくいったこと、いかなかったことは?
→うまくいったこと:私は他の仕事に専念できた。
 いかなかったこと:計画に対し遅れがでた
・その経験にはどのような感情が紐づいているか?
→悔しい

経験をどのように意味づけているかを明確にすることで経験からの学びが豊かなものになります。

ステップ4:経験からの学び

・うまくいった場合は、なぜうまくいったか?
・うまくいかなかった場合は経験の前に戻れるならば何を変えるか?
→マイルストーンを決めてフォローアップ計画を立てる

経験から何を学んだのか明らかにします。

ステップ5:法則の定義

経験を経て持論がどのように更新されたか?
法則を定義する。
→任せっきりではダメ

ステップ6:行動計画

次のアクションにどう活かすか計画する
→適度なフォローアップ計画を立てる

対話から多様な見方を学ぶ

私たちの認知は物事のある側面しか見ていません。

よって、その判断が限られた経験に依存しており

視野を広げるためにも対話という学びが必要となります。

対話は特に違う意見を持つ人と行うことが大切です。

・対話を自己の内面と向き合う機会と捉える
・意見を聴くときに感情をコントロールし評価判断は保留にする
・意見を聴くとき自分の解釈は加えず相手の認知の4点セットを聴き取る

相手の考えを認知の4点セットで理解できると

意見に反対する人は、こちらの意見そのものに判定しているのではなく

その人が大事にしている価値観を守ろうとしている

ということが分かります。

例えば、新人がチームに慣れてもらうために週末に歓迎会をするという意見に反対する人がいたとします。
その人は歓迎するという行動に反対しているではなく、週末の家族との時間が大事という価値観を守ろうとしているのかも知れません。
その人にも新人がチームに早く溶け込んでほしいという想いがあれば、「では平日にメンバー全員でランチミーティングをしよう」など代替え案が生まれてくるはずです。

アンラーンする

アンラーンとは過去の学びを手放す行為です。

対話により他者の意見も俯瞰できるようになったあとは

自分の殻を破るアンラーンを身につけましょう。

アンラーンのためのリフレクションは

これまでの通じていたやり方が通用しなくなったときに行います。

・何かに行き詰ったときアンラーンをするタイミング
・アンラーンした先の世界を理解するため想像力を活かす
・アンラーンでは成功体験の思い出は残し、ものの見方だけ手放す

ステップ1:過去の成功体験のリフレクション

過去の成功体験を振り返り

その時に形成されたものの見方や判断基準を思い出す。

成功体験に紐づく感情も思い出す。

アンラーンが難しい理由は、ものの見方を手放すことではなく、それに紐づくポジティブな感情を手放すことにあります。
成功体験で味わった感情をリフレクションし、自分が何を手放したくないのかを感情レベルで理解することがポイントです。
感情はアンラーンする必要はありません。

ステップ2:アンラーンの先の世界を想像する

上記で形成されたものの見方、判断基準をアンラーンした先の世界を想像してください。

また、その世界に生きる人の意見を聴いてみて下さい。

ステップ3:アンラーンする

ステップ2で自分の境界線の外にある世界を俯瞰した段階で

すでにアンラーンは始まっています。

ここでは、何をアンラーンしたのか、何が新しいものの見方なのかを言語化しましょう。

 

時代の変化とともに古くなるのは知識だけではありません。
自らの意思で前向きにマインドセットを変えることができる人だけが幸せな人生とキャリアの成功を手に入れることができるのです。

まとめ

リフレクションのやり方について実例を踏まえ解説しました。

どのような経験にもたくさんの「叡智(えいち)」が詰まっています。

経験を客観視することで新たな学びを得て

未来の意思決定と行動に活かしていくことが

リフレクションなのです。

以下5つのメソッドをマスターし、

普段からリフレクションする習慣を身につけて下さい。

本記事が、明るい未来を切り開く一助になれば幸いです。

①自分を知る
②ビジョンを形成する
③経験から学ぶ
④多様な世界から学ぶ
⑤アンラーン(学んだことを手放す)
最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました