キャリア理論【仕事選びで失敗する3つの理由】

キャリコン

日本人の多くが現役を退いた後

「仕事を第一優先にしすぎたなあ」

とか

「友人や家族との時間をもっと取るべきだった」

と後悔の言葉を口にすることが多いという現実があります。

これは日本人だけではなく、Apple創業者スティーブ・ジョブズ氏も

癌に侵され余命宣告されたあとに全く同じことを口にしたそうです。

このように人生終盤で自身の生き方を振り返ったときに後悔しないよう

仕事選びする上での基準について、数回に渡ってシリーズで紹介します。

本記事では、「仕事選びで失敗する3つの基準」というテーマで解説していきます。

就職や転職活動中で仕事を選びに悩んでいる人や、

将来後悔しないためにどういう進路に進むべきか考えている若者世代の人達

には特に参考になると思います。

それでは「仕事選びで失敗する3つの理由」を紹介していきます。

好きなことを仕事にする

えーーーーーっ!?

と驚かれたかたは多いと思いますが

これ、仕事選びで成功する理由ではありません。

好きなことを仕事にしてはいけないのです。

なぜならば

「好きなことを仕事にするとスキルが伸びない」

のです。

好きな仕事に就いて最初のうちは楽しいでしょう。

でも長くは続きません。

動物が大好きで動物園の飼育員に転職した私の先輩も言ってました。

「大好きだった動物のことが嫌いになってしまった」と。

好きだけでは務まらないのです。

何の仕事でも「責任」という二文字はついて回ります。

この重圧に耐えるには「好き」というよりも「仕事は仕事」と割り切るタイプの方が成功するのです。

「好き」で仕事に就いたからこそ、ちょっとした「つまずき」にも

「本当にこの仕事好きなのかな?」

「本当はこの仕事向いてないのかも・・・」

と疑念にとりつかれます。

つまり、周囲の出来事に対し一喜一憂しやすくなり、モチベーションが大きく上下するようになるのです。

結果、安定したスキルが身につかず離職率が上がってしまうというわけです。

本当の情熱とは後からついてきます。

「天職」というのは、自分のうちにたぎる熱い情熱よりも、

「なんとなくやっていたら楽しくなってきた」

という感覚から始まる穏やかなプロセスが導いてくれるものなのです。

紀元前5世紀には孔子が

「自分の愛することを仕事にすれば生涯働かなくてもすむ」

という言葉を残しました。

一方、その孔子は自身の天職と考えた政治の世界では能力を全く発揮できず

晩年は「海外にでも行こうか」と嘆き節を残したのは皮肉な話です。

 

給料の多さで仕事を決める

高給取りになりたいという願望は至極まっとうな欲求といえます。

でも、給料の多さだけで仕事を決めるのは間違いです。

理由は

「給料と仕事の満足度に相関関係は無い」

からです。

相関係数でいうと15%しかありません。

少し専門的な話になりますが、相関係数は通常50%以上で「相関あり」と判断されます。

相関係数=15%という数字はかなり小さく、

統計的には

「給料と仕事の満足度は、ほぼ無関係」

というレベルなのです。

「年収800万円を超えると幸福度は上がらない」説

を聞いたことがある人は多いと思います。

以下が、ノーベル賞受賞者のダニエル・カーネマンの研究を模式化したグラフです。

年収800万円を超えると幸福度は上昇しなくなる 橘玲の「幸福の資本論」

また日本を含む世界140カ国の収入と幸福度の相関を計算した研究では以下の結論が得られています。

  • 年収が400~430万円を超えた場合、そこからさらに幸福度を5%高めるには、追加で年に400~430万円が必要になる

つまり今あなたが年収400万円を稼いでいるならば、もし年収が倍になっても幸福度はほんの少ししか上がらなということです。

以上を持って

「給料の多さで仕事を決めるな!」

と主張したいわけではありません。

年収800万円までは緩やかだが幸福度は上がり続けますので

給料を上げることにリソースを注ぐのも生き方も否定はしません。

ただ年収と幸福度の関係性を見ると

年収アップだけを追い続ける人生は、あまりにも費用対効果が低いと言えます。

であれば、数%の幸福度を上げるためにあくせく働くのをやめて

家族や友人、趣味に時間を注ぐのもひとつの生き方です。

どのような生き方を選択するかは、すべては自分次第なのです。

楽な仕事を選ぶ

楽して儲けたい!

これも人間の欲求としては真っ当なものですね。

ハードワークでストレスが大きい人は脳卒中や心筋梗塞などにかかりやすく

早死にのリスクが増えることは知られています。

一方でストレスが無さすぎる人の死亡率が高いという知られざる事実もあります。

これは3万人の公務員を対象にしたイギリスの研究です。

組織内で地位のランクがもっとも低い人はランクが高く重大な仕事を行い人に比べ

死亡率が2倍高かったというデータがあります。

また適度なストレスがもたらすメリットとしては以下が挙げられます。

  1. 仕事の満足度を高める
  2. 会社へのコミットメントを改善する
  3. 離職率を低下させる

”ストレスと満足度”

の関係は

”ギターの弦と奏でる音”

の関係性のようなものなのです。

弦を張りすぎると高い音しか出ず、弦を緩めすぎると濁った音しかでない。

弦を適度な張りに調整し、始めて良い音を奏でることができるのです。

組織で昇進したくないと考える人の思考には

「給料が低くても我慢する代わりにキツイ仕事はしたくない」

になっています。

地位が低い人は

「仕事の裁量権がないため、仕事内容や締め切りを自分でコントロールしにくい」

ことを理解されていないことが往々にしてあります。

上の地位に行けば、それは責任は重くなりますが、

「裁量権が増え、仕事内容や締め切りなどのコントロール範囲が広い」

のです。

つまり、低い地位に留まって、平和だと思っているのは

勘違いで、

実は地位を高めた方が人生の幸福度はあがる可能性が高いというわけです。

もちろん、100%の人に当てはまるわけではありません。

自分から主体的にコトを仕掛けるのが苦手な人もいますし

単純作業をやる方が性に合っている人もいるでしょう。

そのような人はブラックでは無い企業で働き、毎日定時で帰って

プライベートを充実させることで人生の満足度を上げれば良いのです。

価値観は人それぞれ異なるものですから。

まとめ

今回は仕事選びを迷っている人、仕事の選び方を学びたい人のため

「仕事選びで失敗する3つの理由」というテーマで解説しました。

  • 好きなことを仕事にする
  • 給料の多さで仕事を決める
  • 楽な仕事を選ぶ

仕事選びをする上で参考にしていただければ嬉しく思います。

でも~

ロイJr.
ロイJr.

では、どのような視点で選べばよいの???

という疑問がわいてきたと思います。

そのような勉強家の読者の皆さんのために

次回は、「仕事の幸福度を決める基準」について解説します。

以上

コメント

タイトルとURLをコピーしました