セブンカフェが売れた理由。「自社の強み」を生かした経営戦略とは?

ビジネス

本記事は、以下のような悩みを抱えている方々に特にヒントになる内容と思います。

    • 顧客の声をアンケートで収集し、新たなメニューを提供したり価格を下げたりと顧客意見を反映させながら営業を続けても、思ったように売上があがらずお悩み中の店舗オーナー
    • 市場マーケティング調査の中でVOC(Voice Of Customer)を分析し商品を企画するも、なかなかヒット商品が生まれず、売上拡大に貢献できてないと感じるビジネスマン

 

多くの経営者は商品を企画する際に先ずは「顧客視点」を優先にと言いますが、顧客の声を反映させれば必ず売れると信じて疑わない思考は危険なのです。

結論を言います。

売上、利益を上げたいのであれば、勿論、「顧客の声」は大事な要素ですが、先ず最初に考えるべきは「自社らしさ」とは何か?という事です。

自社の強みを徹底的にフォーカスしなければ顧客のニーズをキャッチできても競合にすぐに真似をされ差別化できないのです。

セブンイレブン、マクドナルド、ドトール、スターバックス等々のコーヒー事業を通じた経営戦略理論の著書「戦略は1杯のコーヒーから学べ!」を参考に成功する事業戦略の考え方について数回に渡って解説します。

本日は、コンビニ業界の巨匠「セブンイレブン」です。

なぜ「自社らしさ」を追及すべきなのかが本記事で分かり易く説明しますので参考にして頂ければ嬉しく思います。

 

5度目の正直でようやく成功したセブンカフェ

2013年に登場したセブンカフェは1年で500億円を売り上げた大ヒット商品ですが、成功までの道のりは簡単なものではありませんでした。

店内でコーヒーを提供することを30年以上に渡り挑戦し続けてようやく念願がかなったのです。

 

ロイJr.
ロイJr.

それでは挑戦の歴史を見てみよう!

1.サイフォン小分け方式(1980年代)

⇒ コーヒーメーカーでまとめて作り注文ごとにポットで小分けして提供 

コーヒーの質を保つべく1時間毎で作り替えが必要だったが店舗が忙しくマニュアル通りの対応ができなかった。
2.淹れたてドリップ方式(1988年)

⇒ コーヒーマシンを開発し注文を受けてから淹れたてコーヒーを提供

焦げたような匂いが店内を漂い不評に終わった。
3.カートリッジ方式(1990年代)

⇒ 焦げた匂いを回避するためカートリッジ方式に切り替えた

コーヒーを粉末状にしたため風味が損なわれ味が落ちた。
4.バリスターズカフェ(2000年代)

⇒ セルフ方式のエスプレッソやカフェラテを提供

安定した人気を得たが、濃いコーヒーは万人向けではなく1店舗あたり1日25杯に留まった。
5.セブンカフェ(2011年)

⇒ 200社のコーヒーの味を分析し豆に拘り本格派コーヒーを提供

1日1店舗あたりで95杯、1年間で4.5億杯、500億円を達成

セブンイレブンの強みは圧倒的な○○数

ここまで読んだ皆さんは、セブンイレブンの諦めない不屈の精神に驚かれたかも知れませんが、何故このように何度も何度も挑戦を続けることが出来るのでしょうか?

 

それは、全国2万を超える圧倒的な店舗数から集まった圧倒的なビッグデータです。

 

愚直に仮説検証を繰り返せるのは、「どの店で」、「どんな年齢層が」、「何の商品を」等々の何十年という蓄積されたビッグデータとデータ分析力があるからこそ可能なのです。

 

この「圧倒的なデータ量」こそが差別化戦略であり、競争力の源泉として答えを導き出し競合を圧倒し続けているのです。

 

店舗数は以下のように右肩上がりでいまだに拡大し続けている事は本当に驚きです。

店舗数推移

引用元URL

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コア技術をとことん追求せよ

このようにセブンイレブンではビッグデータ解析をコア技術として拡大戦略をとっています。

 

参考書籍「戦略は1杯のコーヒーから学べ」では、このような「自社の強み」である尖がった「コア技術」をとことん追求し成功した事例が紹介されています。

・富士フイルム アンチエイジングの化粧品
デジカメ、スマホの興隆で写真フィルムに未来は無くなった
フィルムに使うコラーゲンや抗酸化技術を生かし畑違いの業界である化粧品を開発
・東レ 炭素繊維素材が航空機の構造体へ
鉄の4分の1の軽さで10倍の強度を誇る炭素繊維の性能を極限まで高め航空機へ採用
また、「コア技術」では無く「製品」に投資し失敗した事例も紹介されています。
・シャープ 液晶テレビ宣言
技術コアとなるべく液晶ではなく、液晶テレビに投資
テレビはコモディティ化し経営危機へ

まとめ

セブンカフェの経営戦略は如何だったでしょうか?

顧客の声を反映させれば必ず売れると信じて疑わない思考がなぜ危険かということが理解できたと思います。

売上、利益を上げたいのであれば、勿論、「顧客の声」は大事な要素ですが、先ず最初に考えるべきは「自社らしさ」なのです。

今一度、”自社らしさ”、”自社の強み”、”コア技術”を深堀し、今の経営戦略が本当に進むべき道なのか考えてみてはいかがでしょうか。
本記事が事業経営を進めていくみ方々へのヒントとなれば幸いに思います。

 

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