社内人材のセグメンテーション
人材のセグメンテーションを行う理由は
セグメント毎に離職パターンが異なるため
セグメントと離職パターンに応じた対策が必要なためです。
🔳 人材のセグメンテーション
人材を以下の5つに分類してください。
- 縦軸:個人のパフォーマンス
- 横軸:社歴
🔳 各セグメンテーションの特徴
🔳 人材セグメント毎の離職パターンの特徴
☑優秀人材、ハイポテンシャル人材
- 働きがいに関する労働価値のミスマッチが起きると積極的離職をする傾向
☑普通人材、立ち上がり人材
- 働きがいのミスマッチでの積極的離職は起きにくい
- 働きやすさに関する労働価値のミスマッチで現状からの逃避という消極的離職をする傾向
☑ぶら下がり人材
- 積極的離職はしなし
- よほど働きやすさが下がった場合には消極的離職をすることはある
- ただ、他に働き口がないので組織の不満を漏らしながらも定着することが多い
☑共通
- 全てのタイプの人材に於いて心身コンディションが低下し離脱するケースはある
離職対策を優先するセグメント
離職対策といっても離職をゼロにする必要はありません。
組織を活性化できる人材を設定し、その人材層の育成と定着に注力することが最重要です。
離職対策を実施する場合の優先順位は次のようになります。
①ハイポテンシャル人材
②立ち上がり人材
③優秀人材
④普通人材
⑤ぶら下がり人材
ここで、優秀人材の優先順位が低いことに違和感を覚える人もいると思います。
離職対策としては、ハイポテンシャル人材、立ち上がり人材の方が重要で組織に与えるインパクトが大きいという理由を説明します。
🔳優秀人材が第一優先ではない理由
☑外部からのオファーを受けやすい
- 優秀な人材であるがゆえ魅力的なオファーを受けやすく転職のハードルが低く、引き留めが難しい
☑属人的依存から解放される
- 優秀人材が上を占める組織では属人依存が大きく組織が脆弱であり優秀人材の離職で組織が活性化する
☑ポストが空く
- 優秀人材が固定されているとポストの流動性がないが優秀人材の離職でハイポテンシャル人材の活躍の舞台が増える
🔳ハイポテンシャル人材が第一優先とすべき理由
☑労働価値が似ており一気に対策しやすい
- 「成長機会」、「強みを活かす」などの価値観を重視する傾向あり、ここに焦点をあてて対策しやすい
☑組織の安定化
- 優秀人材が抜けてもその穴を埋めて組織が安定することに繋がる
☑立ち上がり人材のモデルケース
- ハイポテンシャル人材の活躍は立ち上がり人材にとって身近なロールモデル
- 優秀人材は雲の上の存在であり相談しにくいがハイポテンシャル人材には軽く相談できる
🔳立ち上がり人材が優秀人材より優先順位が高い理由
☑成長の可能性がある
- 立ち上がり人材の一部はハイポテンシャル人材へ成長する可能性がある
☑すぐ辞めてしまうというレッテルが貼られる
- この層が離職すると、入ってもすぐに辞めてしまう魅力のない企業というレッテルにつながる
課題の明確化
離職対策は
- WHO(誰の)
- WHAT(どの課題に対して)
- HOW(どのようにアプローチするか)
を考えていく必要があります。
これまでの説明で離職対策を優先すべきセグメント(WHO)
が見えてきたと思います。
その先のWHAT、HOWを考えていきましょう。
ハイポテンシャル人材への離職基本戦略
人材と離職タイプに焦点を当ててWHATを考えていきます。
☑ハイポテンシャル人材の特徴
- 他の人材セグメントと比べると「能力活用」、「達成」、「自立性」といった価値観を重視する人が多く労働価値に偏りが見られる
- 離職対策の基本は、労働価値のミスマッチで生じたマイナス感情を解消することだが、ハイポテンシャル人材は労働価値が絞られる分、対策が練りやすい
☑離脱が多い場合
- 能力が高く責任感んも高いため疲労も蓄積しやすい性質がある事に注意を向ける
- 疲労の蓄積に注意しメンタル不調者が多ければメンタルヘルス対策を優先する
☑消極的離職が多い場合
- ハイポテンシャル人材に取って働きにくい職場になっている可能性あり、従業員意識調査や1on1で定期的にヒアリングする
- 「働きやすさ」のミスマッチは課題が明確のケースが多く課題を見つけて解決するというシンプルなアプローチが可能
☑積極的離職が多い場合
- 「働きがい」を上げるための機会創出を行う
- 積極的離職を減らすには会社全体の方針へのアプローチが必要となるケースが多く非常に労力がかかる。
- よって積極的離職以外の離職対策を始めたあとに、積極的離職を予防するための施策を打つかどうかを検討する流れが望ましい
立ち上がり人材への離職基本対策
☑立ち上がり人材の特徴
- 労働価値として「環境」、「ライフスタイル」、「冒険心」などが高くなりやすく、それに向けた対策が有効
☑離脱が多い場合
- 採用時にストレス耐性チェックや価値観あわせを行う
- 会社が社員にあたえる価値を整理したうえで、価値観のマッチングがあうひとを採用する
☑消極的離脱が多い場合
- 入社したばかりの人材には多くの変化がつきまとうので業務負荷や人間関係に注意する
- 業務サポート体制、精神サポート体制を改善する
☑積極的離職が多い場合
- 見本となるハイポテンシャル人材を複数つくる
優秀人材への離職基本戦略
☑優秀人材の特徴
- 労働価値が様々なので会社全体での離職対策が打ちにくく定着戦略が成功する確率が低い
☑離脱が多い場合
- 年齢層も高いので、まずは心身の健康への取り組みから行う
☑消極的離職が多い場合
- マイナス感情の要因を調査し、全社的な問題であれば対策する
- 介護問題など個人要因であれば対応できる範囲での対応となる
☑積極的離職が多い場合
- これを止めるのは至難の業であり離職対策は諦める
- ハイポテンシャル人材や立ち上がり人材の離職対策に注力する
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